ANB

Ryota Tsukamoto

  • 塚本亮太
    私は、作品とまだ作品になっていないものの境目についてよく考えます。

    物事が作品になる瞬間はいつだろうか。
    作品かもしれないものをずっと観察していれば、
    その瞬間を目撃できるのだろうか。
    もしくは瞬間なんてないのだろうか。
    細胞分裂ほどのスピードで物事は確実に作品になっているのだろうか。
    物事と作品はスペクトラムの関係なのかもしれない。
    とにかくその曖昧な連続体にこそ快感がつまっているのは間違いない。
    私はそれを「ただそれだけの不気味な魅力」と呼んでいる。

    「ただそれだけの不気味な魅力」には生活の臭いがある。
    なぜなら物事と作品の曖昧な領域だから、
    まだそこにはふんだんにその臭いが残っている、もしくはこびりついている。
    この臭いこそ、物事と作品が連続体である証明なのだと思う。

    だから私はまたあの臭いと快感を手に入れるために制作を続けている。
    あわよくばコントロールできるのではないかという淡い期待を抱いて。

    略歴/BIO
    2010 滋賀県立大学 人間文化学部卒業 / BA.School of Human Cultures, The University of Shiga Prefecture
    1986 大阪府生まれ 東京都在住 / Born in Osaka, Japan, Lives in Tokyo

    AWARD
    2017 TOKYO FRONT LINE PHOTO AWARD Grand Prix

    個展/SOLO EXHIBITIONS
    2018 "POINT" W+K+ Gallery, Tokyo
    2017 "Drive-thru" G/P Gallery, Tokyo
    2013 "TOUGH" Baika-do, Osaka