ANB

#memethinking workshop vol.1

2021.02.15 & 27
PROJECTS
ONLINE

アートの視点で「meme(ミーム)」を再解釈するワークショップ

近年、ネット上でよく耳にする「meme(ミーム)」という言葉。

一部のユーザーの中で流行っていたものが、SNSや動画プラットフォームを通じて、大喜利のネタのように模倣やパロディが広まっていく現象を意味しています。TikTok上で、鼻でペイントする#ノーズペイントや回し蹴りでキャップの蓋を開ける#BottleCapChallengeなど流行し、2019年11月から一か月の間で、memeに関係する総再生回数が15億再生を超えて話題となりました。

その語源は意外にも、進化生物学者のリチャード・ドーキンスによる造語で、”mimic(まねる)、mimesis(模倣、擬態)などに含まれるmim-”(模倣)を元にしています。そして、その意味は「習慣や技能、物語といった人から人へ模倣され、進化する文化的な情報」を指しています。

今回は、数々のmemeを生み出したサザエbotの作者でアーティストの松田将英と、写真家の小山泰介、キュレーターの山峰潤也を講師に迎え、アートの視点を交えてmemeを再解釈しながら、新しいコミュニケーションの方法論を探るワークショップを行います。

What is MEME?

リチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』のなかで、ヒトの文化の伝達単位として、ジーン(遺伝子)に対してミームという概念をはじめて提唱した。ミームとは模倣や複製を通じて、ヒトの脳からまた別のヒトの脳に伝達される「文化的情報」を意味し、メディアの変遷とともに私たちの文化・社会を大きく変容させてきた。古くは王や貴族の口伝・儀式にはじまり、グーテンベルクの印刷技術は書物の発明とともに宗教改革や教育を生み、ラジオ・テレビの後には数々のポップスターが誕生した。

そしてスマートフォンの普及により個々がネットワーク化された現代、SNSでは「インターネットミーム」と呼ばれるテキスト、イメージ、ムービーを用いたレシピやDIYのアイデア、ファッション、二次創作や大喜利、そして社会批判や風刺が拡散、浸透し、様々な議論を生み出している。誰もがミームを発信できると同時に、文化・社会の変容に直接的に関わる時代である。

ワークショップ内容

本ワークショップでは、1日目の冒頭に講師陣よりアート、ミーム、写真(イメージ)の観点から、参考事例を交えたレクチャーを行います。その後、グループに分かれてグループ・オリジナルの「ハッシュタグ」を決めます。

ハッシュタグは、誰か個人的な物語を想像させるようなものや、日常的なちょっとした発見、あるいは、大喜利のネタのようなものなど、多様な選択肢があります。

1日目終了後、それぞれの参加者はグループごとに連携しながらハッシュタグの輪郭を表現するようなイメージをinstagramにアップしていきます。

2日目では、それぞれのチームがどのような意図のもと、イメージをアップしていったかを発表しながら、講師陣と振り返りの時間を持ちます。発表終了後、今回の経験をどのような形で咀嚼したか、ビジネスやアートの観点から自身の活動へのフィードバックがあったかなどを、共有する時間を持ちます。

[1日目]  2月15日(月) 19:30〜

19:30 start /趣旨説明
19:45 <インプットトークA>松田
20:05 <インプットトークB>小山
20:25 お題発表
20:35 グループワーク
21:20 テーマ&「#」発表
21:40 まとめ、全体アナウンス
21:50 懇親会

[2日目]  2月27日(土)18:00〜

18:00 start/ゲスト紹介
18:10 振り返り
18:20 各チームでディスカッション
18:50 チームごとに発表
19:55 全体ディスカッション
20:30 終了

実施概要

講師:小山泰介(写真家/TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT)、松田将英(アーティスト)、山峰潤也(キュレーター/一般財団法人東京アートアクセラレーション)

[1日目] 2月15日(月)19:30-22:00(2時間30分)
[2日目] 2月27日(土)18:00-20:00(2時間)
定員:20名
参加費:無料

参加方法:zoom / instagram / discordを使用して全てオンラインにて行います。グループワークを行うため、どちらか 1 日のみでのご参加は受け付けられません。

申込方法:お申し込みフォームよりお申し込みください。

申込〆切:2月10日(水)12:00

※応募多数の場合は抽選、2月11日(木)中に参加の可否をメールにておしらせします。

お問合せ:memethinkingws@gmail.com
主催:文化庁
企画:TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT
協力:博報堂 UNIVERSITY of CREATIVITY
令和2年度文化経済戦略推進事業

PROFILE

  • 小山泰介(写真家/TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT)
    1978年生まれ。東京在住。文化庁新進芸術家海外研修制度によって2014年から2年間ロンドンで活動し、アムステルダムを経て、2017年末に帰国。生物学や自然環境について学んだ経験を背景に、実験的なアプローチによって現代の写真表現を探究している。
    主な個展に『WAVES AND PARTICLES』(Metronom、モデナ、2019)、『SENSOR_CODE』(Seen Fifteen、ロンドン、2018)、『PHASE TRANS』(G/P gallery、東京、2018)、グループ展出展多数。2018年よりTOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECTの活動をおこなっている。
  • 松田将英(アーティスト)
    コンセプチュアル・アーティスト。1986年神奈川県生まれ。ベルリン、神奈川県在住。『サザエBot』で「Prix Ars Electronica 2016」準グランプリ受賞。欧州を中心にインターネット以後の匿名性や、アーティストの脱人物化を主題としたレクチャー・パフォーマンス、インスタレーションを多数発表。2019年より実名での活動を開始。主な個展に「超現代美術展」(会場非公開、2020)、「White Magazine」(EUKARYOTE、2019)。
  • 山峰潤也(キュレーター/一般財団法人東京アートアクセラレーション)
    東京アートアクセラレーション共同代表/ANB Tokyoディレクター/キュレーター。東京都写真美術館、金沢21世紀美術館、水戸芸術館現代美術センターにて、キュレーターとして勤務したのち現職。主な展覧会に「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」、「霧の抵抗 中谷芙二子」、「恵比寿映像祭(第4回-7回)」。六本木にオープンしたANB Tokyoのディレクターとしてオープニングエキシビション「ENCOUNTERS」企画統括やテレビ朝日のアート番組「アルスくんとテクネちゃん」監修、書籍「霧の抵抗 中谷芙二子」(フィルムアート社)編、「スポーツ/アート」(森話社)共著などのほか、国内外の展覧会のキュレーション、シンポジウムの企画多数。文化庁アートプラットフォーム事業委員、Tokyo Photographic Research副代表、2015年度文科省学芸員等在外派遣研修員、学習院女子大学非常勤講師など、執筆、講演、審査委員など幅広く活動。