スクリプカリウ落合安奈 個展 「わたしの旅のはじまりは、 あなたの旅のはじまり」
母であり、生きることの光をとらえ続ける写真家・落合由利子と自身の写真作品を展示
本展は、新型コロナウイルス感染予防措置を講じて、オンライン事前予約制にて開館いたします。ご来場の前に「新型コロナウイルス感染予防ご協力のお願い」を必ずご一読ください。
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ANB Tokyoでは、9月15日~10月3日までの期間、埼玉県立近代美術館での個展が記憶に新しいスクリプカリウ落合安奈の個展を開催いたします。
国内外各地で土着の祭事や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、その過程で気づいた「見えないつながり」を、作品で視覚化してきたスクリプカリウ落合安奈。
《Blessing beyond the borders -越境する祝福- 》(2019)では、自身のルーツである日本とルーマニア各地の信仰や神事を、《骨を、うめる -one’s final home》(2019)では、江戸時代にベトナムで没したある日本人の墓を起点に、帰属意識や鎖国、国際結婚などをインスタレーション作品のなかで問いかけました。彼女独自の着眼点から、複数の時代や地域のあいだにつながりとその必然性が生まれ、個人の歴史が他者を理解するストーリーへと交わっていくのがその大きな特徴です。
本展では、母であり、生きることの光をとらえ続ける写真家・落合由利子と自身の写真作品を展示。異なる時期のルーマニアをとらえた両者の眼差し、作品の対話から浮かび上がるものを探究していきます。
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スクリプカリウ落合安奈は、日本とルーマニア、ふたつの母国に根を下ろす方法を模索してきた作家である。しかし、COVID-19が世界中で猛威を振るい、渡航規制のためもうひとつの母国に行くことができない状況が続いている。そこで彼女は、自身が生まれるきっかけとなった写真家である母・落合由利子の旅を紐解き、共同で展覧会をつくることを試みた。
日本大学芸術学部で写真を学び、写真家として活動する由利子は、1989年にドイツに渡り、ベルリンの壁崩壊を目の当たりにした。その後、ルーマニア革命の喧騒に満ちたブカレストへと移り、一旦帰国した由利子であったが、再びルーマニアに渡り、東欧の大地で暮らす人々とともに生きることを選択する。そこで安奈を授かったことは、由利子の旅を象徴するできごとであり、安奈にとっては人生という旅のはじまりであった。
本展は、3つの要素によって構成される。
1つめは、由利子がベルリンとルーマニア各地で撮影した写真。2つめは、安奈が自身のルーツを探りに訪れたルーマニアで撮影した写真と、彼の地から持ち帰ったものを日本の家に差し込む光で撮影した写真、呼応する2枚を1作品に組み合わせた作品群。そして、由利子と安奈が展示模型を挟んで対話する様子を収めた映像。それらを通じて、由利子が巡ってきた旅路、そして、自身のルーツをたぐり寄せる安奈の旅路、ふたつの旅路が照らし出される。
INFORMATION
会 場|ANB Tokyo(港区六本木5丁目2-4 )*六本木駅から徒歩3分
会 期|2021年9月15日(水)~10月3日(日)
開館時間|12:00~18:00
休 館 日|月・火曜日(祝日の場合は開館)
入 場 料|一般/1000円 大学生/500円(全フロア共通チケット)/中・高校生 入場無料 ※価格は全て税込 ※学生は受付にて学生証要提示
オンライン事前予約制:https://reserva.be/anbtokyo
主 催|一般財団法人東京アートアクセラレーション
協 賛|公益財団法人 クマ財団
▼ 同時期開催
4F| NAZE 個展「URAGAESHI NO KURIKAESHI」
6F| 小林健太 個展「#smudge」
《Blessing beyond the borders -越境する祝福-》
2019
1,000×1,000×200cm
《The backside over there》
2015-
《骨を、うめる-one's final home》
2019
サイズ可変
インスタレーション
Photo: Masanobu Nishino
《天使が壁の前を歩く−1 「話したい」より》
1990 © Yuriko Ochiai
《別れ、時はたえることなく−8》
2021 © Yuriko Ochiai
《循環・CORNEREVA−9》
1994 © Yuriko Ochiai
3D ARCHIVE
3D Archive By ARCHI HATCH
ARTISTS TALK
9月25日(土)、3名の作家を迎えたアーティスト・トークをYouTubeで配信しました。本トークには、スクリプカリウ落合安奈、NAZE、そして小林健太が参加。モデレーターをANB Tokyoディレクターの山峰潤也が務めました。
展示風景や作品画像を織り混ぜ、それぞれの作品の制作背景やお互いの展示を見て感じたことなどを語っています。まだ展覧会をご覧になっていない方や、遠方にお住まいのため会場に来られない方も是非オンラインでご視聴ください。
配信日時|9月25日(土) 18:30〜
参加作家|スクリプカリウ落合安奈、NAZE、小林健太
モデレーター|山峰潤也(一般財団法人東京アートアクセラレーション共同代表/ANB Tokyoディレクター)
9月25日(土)アーティスト・トーク (ANB Tokyo公式YouTubeチャンネル)
PROFILE
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- スクリプカリウ落合安奈(AnaScripcariu-Ochiai)
- 2016年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(首席・美術学部総代)。現在同大学院博士後期課程在籍。日本とルーマニアの二つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」という一貫したテーマのもと絵画、写真、映像、インスタレーションなどさまざまな素材・手法を扱う。近年の主な個展に「journey」AKIO NAGASAWA GALLERY AOYAMA(東京、2021)、アーティスト・プロジェクト#2.05「Blessing beyond the borders -越境する祝福-」埼玉県立近代美術館(埼玉、2020)、「Imagine opposite shore-対岸を想う」銀座 蔦屋書店・GINZA SIX(東京、2020)など。グループ展に、「ENCOUNTERS」ANB Tokyo(東京、2020)、「Y.A.C. RESULTS 2020」National Museum Contemporary Art 国立現代美術館 (ルーマニア、2020)「Bridge」ホイアン(ベトナム、2019)、都美セレクショングループ展2019「星座を想像するように-過去、現在、未来」東京都美術館(東京、2019)などがある。2020年 Forbes 30 UNDER 30受賞。(Portrait photo by ©︎Kotetsu Nakazato)